2022月8月10日、株式会社ふろしきやと一般社団法人信州千曲観光局が主催する「真夏のワーケーションシップ」にて、株式会社鳶髙橋はDIYからはじまる流しそうめん体験会の企画運営を担当しました。

長野県千曲市のワーケーション(ワーケーション・ウェルカムデイズ)に企画側として参加するのは今回で2回目です。1回目は2021年8月にキャンプ場で「工作でカーボン・ニュートラルを学ぼう」 を開催し、大自然のなかで大人や子どもも混ざり合って共通の体験をする楽しさや学び、参加者の距離が縮む過程を目にしました。

昔は竹細工や建築など身近に使われていた竹ですが、現在は竹を触ったことすらない方もたくさんいます。そうした便利が当たり前になった世のなかだからこそ、自然豊かな環境で自然素材に触れて、大人と子どもで一緒に体験を共有する時間が大切だと思っています。

今回開催したワークショップを通じて生まれた気付きや交流の様子をお届けします。

竹を用した建築事例からみえてきた「竹の課題」

鳶髙橋は古来から竹をもちいた建築や、正月飾りの制作をしていました。2021年に建築プロデュースで携わったおせっかいハウス「昭和の寅や」の軒先にも、竹を取り入れた差し掛けを建設しました。竹を使った空間づくりは好評で、地元の方々から竹の活用を相談いただくようになりました。

長野県には自生する竹が大量にあり、繁殖が早いため使い道に困っているというのです。そういった方々から相談をいただき、竹を使った体験ができないかと考えていたところ、企画のお話しをいただき、夏らしい思い出にもなる流しそうめん体験を企画しました。

五感で生み出すわくわくする舞台装置

体験会では、自然素材の竹を利用して「流しそうめんスライダー」と器と箸をつくります。日常生活では触れる機会が滅多にない竹のなめらかな感触に、子どもたちは「つるつるだ」と喜んでいました。

参加者は箸をつくる部隊、「流しそうめんスライダー」をつくる部隊に分かれて作業にとりかかります。なかにはのこぎりやカッターに初めて触れる子どもがいます。大人も普段は触れない自然素材や、工具にワクワクしている様子が伝わってきました。日常で体験しない感覚を共有したことで、参会者同士に絆ができたように思います。

知る楽しさもいいが、感じる楽しさは段違い

現代人の生活には便利なものがあふれており、電気もガスも水道も意識せずに利用ができる一方で、不便は人を賢くするとも思っています。不便から生まれる工夫や、思いもよらない学びで脳が活性されるのでワーケーションとしてもよいコンテンツになったと思います。

家で「流しそうめんスライダーを使いたい」とつくった装置を持ち帰る家族が出てくるほど、思い出に残るコンテンツになりました。共通体験が楽しさを醸成して、人々の心に残る思い出になると思います。今回のイベントからも、建築を通した体験価値をつくるのに意義や可能性を感じました。

参照:夏のキャンプ場で自生した竹を活用した「そうめんスライダーつくり」体験

記事一覧に戻る