2023年10月4日・5日に京都と大阪で株式会社鳶髙橋のオフサイトMTG、視察をおこなってきました。インプットとアウトプットのバランスを意識したプログラム中「そう、そういうのが聞きたかったんだよ」と、チームメンバーの想いに代表髙橋が熱狂する場面もみられました。

普段なかなか足を運ばない場所だからこそ学ぼう、その場を楽しもうという意識につながり「関心が分散」され、見慣れない町や風景に対する刺激や緊張で「神経の集中」がバランスよく調和し、結果的に多くの気付きを得ました。

細部のこだわりが生み出す豊かな時間

NOHGA HOTEL KIYOMIZU KYOTOさんの客室へ向かう廊下

京都で私たちが滞在先として選んだのは「MEET HOT KYOTO.」をコンセプトにするNOHGA HOTEL KIYOMIZU KYOTOさん。千年の歴史をもつ京都を知るための「きっかけ」をちりばめているというホテルのコンセプトに共感し、即決しました。鳶髙橋は先代から続く地域の絆と精神を重んじながら新たな価値を創造する「東京文創」を推進しており、この場所なら歴史と進化のバランスを肌で感じられ、「東京文創」につながるエネルギーを得られるのではないかと予感していました。

NOHGA HOTEL KIYOMIZU KYOTOさんのロビー

東山区五条橋東に位置するホテルに足を踏み入れると、グレーのコンクリート調を基調とした奥行きのある空間に、柔らかい照明と木の骨組み、植物、モダンなインテリアが調和した空間が広がっていました。決して派手ではない、各々のピースがバランスよく配置されている居心地のよい時を過ごすに相応しいロビーです。

渋めの空間に、あえてちょっとした遊びを加えたい」という想いでつくられている(画像は公式サイトより引用:https://nohgahotel.com/kiyomizu/neighborhood/detail/001672.html

客室には京都の伝統工芸を活用したアート、アップサイクルプロダクトが揃っていました。よくホテルで目にする”Do Not Disturb”と”Eco Friendly Cleaning”の札さえも、ゲストを現実世界に戻さないといったこだわりを感じます。

京都のまちを歩きながら、ここにしかない建築と触れ合う

ホテルのところどころに点在するアートや、自然と耳に届く音響で感性を刺激された一同は、ワークスペースに向かう道中、普段よりも明らかに何度も足を止め、建築や風景を楽しみました。

用途を変えて継承される建物
明治10年につくられた五条大橋、立派な欄干「らんかん」
木造の日本家屋で3階建ての形式は珍しい
扉にステンドグラスをあしらった和モダンな建築物
清水寺に向かう道中、枠の美につい立ち止まる

遊郭をリノベーションした歴史を感じる空間でDXの取り組みに触れる

コワーキングスペース「UNKNOWN KYOTO」

鳶髙橋チームでLT(ライトニングトーク)や学習を進める舞台は、築100年を超える遊郭をリノベーションした清水河原五条のコワーキングスペース「UNKNOWN KYOTO」です。泰山タイルや建物の構造を極力生かし、時を越えるような空間を演出しています。

喧騒から離れた異空間のなかで私たちが参加したのは「クールジャパンDXサミット2023」。DXをキーワードに日本文化を世界に発信する企業の取り組みや行政の方針、協働の発表を聞き良質なインプットを得ます。

食やエンタメといった建築には直接は関係ないように思えるテーマにこそ示唆があり、文化創意に取り組む鳶髙橋として事業のヒントになります。効率化という文脈でDXを留めるのではなく、日本国内のみならず世界の垣根を越えるツールとしてDXをどのように活用するか、国レベルの課題も把握しながら学びます。

解放が生んだ本音や想い

情報収集に加え、事前にメンバーが用意してきたLTによる発表も実施しました。インプットとアウトプットをバランスよくおこない、気が付けば日が沈む時間に。限られたオフサイトMTGの時間だからといって、予定を詰め込みすぎないことも重要です。余白があることで新たな発想が生まれます。

NOHGA HOTEL KIYOMIZU KYOTOさんの屋上で営業している「ROOFTOP BAR」

食事を楽しんだ後は市内を一望できるバーへ移動します。テーマを決めたわけでもなく、話題は自然と各々の仕事観や大切にしていることに……。その場の解放感と安心感によって、現状抱えている悩みについてふと漏らしたメンバー。その言葉に対して、髙橋は「そう、そういうのが聞きたかったんだよ」と背中を押します。

メンバーの話に耳を傾ける

髙橋は、今回のオフサイトMTGで終始「弱音を吐くことの重要性」をといていました。口に出してみると他のメンバーが助けてくれたり、活躍の場が提供できる。働く時間に多くを割くからこそ、心理的安全性を高めながら楽しんでほしいという考えを共有してくれました。

大阪でつながるまさかのご縁と広がる可能性

クールジャパンDXサミット会場で記念写真

2日目は京都から大阪に移動します。申込者数が約2,500人を超えるサミットに足を運ぶと、会場に複数のブースが並んでいました。全国の酒造と連携し、日本酒のデザインを缶のラベルに再現して販売をおこなう企業や、DXデータを活用したまちづくりをおこなう企業が出展をしています。

AR映像のデモンストレーションを受けるようす

ひときわ目を引いたのがりんごジュースが並んでいるブースでした。映画、ドラマ、テレビCM映像をはじめとするコンテンツ制作を手がける企業ブースにリンゴジュースが置かれているのです。話を聞いてみると、リンゴジュースのラベルをスマートフォンで読み取るとAR映像が楽しめる工夫がこらしてあり、リンゴ農家さんとコラボレーションをしているとのことでした。

大阪で長野の話に花が咲く

鳶髙橋は長野県千曲市を中心とした活動もしていると伝えたところ、出展者である農家さんと共通の知り合いが多くおり、活動範囲が非常に近いことが判明しました。まさか大阪で長野のご縁に出会うなんて。出展者さんと瞬時に打ち解け、周りのブースの方々も巻き込み一体感が生まれるという、カンファレンスではなかなか味わえない体験をしました。

講演では「東京文創」のコンセプトに大きな影響を与えた「台湾文創」につながる、台湾での活動を興味深く拝聴しました。台湾桃園市はコロナウイルス感染症拡大が落ち着き、2023年時点でも海外からの観光客は7割程度の戻りに留まっているそうです。特に桃園市は観光目的における途中地点として利用されるケースが多く、認知度が低いことが課題としてあげられました。そこで、DXを通じたPR活動として1枚のカードで鉄道や YouBike(微笑自転車)などの交通手段を整備する施策をおこない、台北市などの4つの都市をつなげて観光客への魅力をつくっています。

データを活用したまちづくりをおこなう企業と情報交換

DXを通じた仕組み化に加えて、登壇者が口ぐちにした「好み」や「遊び心」という言葉。こうした人間の感性はまちづくりにおいて切っても切れないキーワードになると共感します。

先進的な情報に触れるだけでなく、チームメンバーとも向き合えた2日間。今回のオフサイトMTGで生まれた内から湧き出る情熱を抱きながら、ステークホルダーと共に文化創意を進めていくための足並みが揃ったように思います。

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