株式会社鳶髙橋が花園神社の氏子鳶頭として携わった例大祭が2023年5月27日から29日に開催されました。例大祭は江戸時代以前から続く土地や国をやすらかに守る(総鎮守)お祭りです。海外からの来場者も多く、感嘆する声と号令が交じり合い、例年以上の活気が生まれていました。お神輿を囲み威勢の良い掛け声が新宿に響き渡ったのは4年ぶりです。2023年だからこそ感じた変化や、変わらない魅力を鳶髙橋代表の髙橋がレポートします。
江戸開府以来400年以上の時を越えた地域の文化、人の躍動感あふれる新宿のエネルギー
鳶髙橋は「いろは48組」のく組として江戸町火消のルーツを持っています。木造家屋の構造を熟知している鳶は、延焼方向の家屋を解体して火を食い止める「破壊消防」をおこない、町を守ってきました。祭事の際は神輿をつくり、お神輿の先頭に立つなど地域コミュニティに関わります。鳶髙橋も、氏子鳶頭として新宿のお祭りに携わり続けています。
年に1度の神事としての例大祭は、地域の協力が欠かせません。お祭りの準備はもちろん、当日の盛り上がりをみると、お祭りは人の力でできていると実感します。昭和22年に四谷区、牛込区、淀橋区の統合により生まれた新宿区は、戦争や災害の傷を復興のエネルギーに変え、文化拠点として世界1の乗降客数を誇るまでに成長しています。エネルギーに満ちた町と花園神社は密接な関係にあり、人々の心の拠り所にもなっています。感染症蔓延を経験した町の人々がお祭りを通じてみせた結束は、過去の軌跡を彷彿とさせるものがあり、人のつながりも継承して強くなる、復興、復活のエネルギーが渦巻いていました。
2023年ならでは例大祭の形
感染症対策で4年間大々的なお祭りを控えていたこともあり、例大祭実施の数か月前から毎月部会で会議をおこなってきました。1日の乗降客数が多い新宿で開催するお祭りは多くの責任が伴うため、多方面の意見を集めて議論する必要があります。今年は例年に増して他の神社との連携も強化して情報交換を重ねてきました。
そのおかげもあり、今年の例大祭は大盛り上がり、海外からお越しになる方も多かったです。海外の方は神社や神輿、お祭りに関心が高いと思うのですが、実際目にするお祭りに思わず声を上げながら写真を撮っていました。靖国通り、新宿通り、明治通りと最後まで付いてくる方もいたくらいです。こういったお祭りを通じて日本を知って楽しんでくれるといいなと、思わずこちらも笑顔になりました。
海外の方や来場者、町の人が楽しむ姿は私だけでなく、地域のご商売をされている方たちにとっても刺激になると思います。多くの方が楽しむ姿が、活気があって幸せだなと思う町づくりに繋がります。
色褪せないのは困難を乗り越える想いとポジティブさ
多くの人々にとって心の拠り所になっている花園神社。お参りを通じて感謝をしたり、明日から頑張ろうと思ったりと、神社、神様が中心にあることでつながっていける世界がそこにはあります。色んな意見が交差し、お祭りを実現するプロセスが一体感を生み、心がひとつになっていったように感じました。
4年ぶりのお祭り開催となると、地域の関係者の高齢化も実感します。お神輿を担げなくなった方や参加できない方もいらっしゃいます。お宮の神事として土着の文化を大切に扱って次の時代に継承する大切さを忘れてはなりません。震災、空襲、感染症など、立ち止まるタイミングが来ても、助け合いながら知恵を集め、復興する実績と自信がこの町にはあります。
今後もどんなことが起きても町の人と協力をしながら文化を継承、発展させていく、お祭りを通じて私もまた更に良い風を感じさせていただきました。
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