月の都千曲を照らすBon danceの櫓制作
2022年7月17日、千曲市日本遺産センターにて「月の都千曲おばすて納涼祭り」が開催されました。株式会社鳶髙橋は、昔懐かしい夏祭りを彩る櫓(やぐら)をつくらせていただきました。Bon danceを通して日本文化の原点に立ち返り、人々の喜びや集いによって再現される原風景をデザインします。
楽市楽座の成り立ちと鳶髙橋との関わり
「月の都千曲おばすて納涼祭り」を主催した、楽市楽座でつなぐ会所属、「和かふぇよろづや」の女将でもある北村たづるさん(以下:北村さん)にイベント開催の背景についてお話しを伺いました。
和かふぇよろづやでは食事や甘味を提供しているだけではなく、35組の作家が箱市、15組のシェフがランチを提供しており、定期的に商店街方々と交流するマルシェを開催していたのだとか。この輪は広がりをみせ、「楽市楽座」という名で計27回の開催を通じて地域を盛り上げてきました。
今回、28回目の楽市楽座(出張楽市楽座としては2回目)開催となる「月の都千曲おばすて納涼祭り」開催のきっかけは、月の都千曲として日本遺産に認定される姨捨の棚田をより多くの方に知ってもらいたいという思いからだったそうです。
姨捨の棚田は約1800枚の水田からなる雄大な棚田が広がっており、夜になると月とまち明かりで照らされた幻想的な風景が浮かび上がります。もともと棚田の魅力を伝えたいとオーナー制を利用して田んぼを借り、イベントの開催をして精力的に活動をおこなってきた北村さんですが、(一社)信州千曲観光局の理事に就任したのをきっかけに、普段はお店付近で開催している楽市楽座を出張版として姨捨で開催し、訪れる方々に棚田の魅力を伝える機会をつくろうと企画に踏み出しました。
「最初は夕涼み会のように考えていたイベントも、協力者が増えていきました。千曲市ワーケーションで知り合った鳶髙橋の髙橋さんが櫓を建てられると知り、話す中で”Bon dance”を開催しようと方向性が決まっていきました。」
100年近く建築でまちづくりに携わる鳶髙橋代表の髙橋と、日本文化を大切に思っている北村さんは目指す世界観や価値観が近いようです。「髙橋さんがやっている事業や考え方は私が重んじている世界や好きなことがとても近い、日本人の魂が揺さぶれるようなことをこれからも一緒にやっていけたらいいなと思っています。」と語ってくれました。
昔から続く人々の思いや文化を体現する場所として、今回幅広い年齢の方々が一同に介して笑顔になるイベントが開催されることになったのです。
地元大工さんと一緒に制作した廃材櫓
納涼祭りで制作する櫓は、東京の解体現場から出た廃材を活用します。鳶髙橋の職人と現地の大工さん(酒井建築)で協力して木材を組み立てていきます。職人さんたちは初めて仕事をする同士とは思えないほど息がぴったりでした。
会場を彩る光と人々の笑顔
櫓の完成に合わせて青空が出ました。千曲市で広がるプロジェクトである、時を旅する「トキタビ」の提灯が灯ることで、まさにタイムスリップをしたかのようです。
浴衣に身を包み、Bon danceを楽しむ参加者に会場は大盛り上がり。
提灯を手に姨捨棚田を散歩する姿もありました。
トキタビと書かれた提灯を手に、姨捨棚田を散歩する棚田ウォークも行っていいました。地元の方々も改めて目にする美しい夜景に歓声を上げている姿が印象的でした。
地域で寝る美しい文化を感じる
鳶髙橋代表の髙橋「ラジオ放送やテレビなど、メディアの広まりと共に東京音頭が流行し、Bon danceは時代に合わせた独自の進化を遂げてきました。災害や戦争で変化する世の中を慰め、息づいているBon danceに着目し、新型コロナという人類に変化を与えたひとつのできごとに対して、文化を見直すタイミングでまちのお祭りに携わるのは感慨深いです。」
ハレの日に着物や浴衣など、地域に眠っている文化を楽しみながら交流することで人々の意識が再生されます。日本遺産「月の都」の夜景と、櫓を中心に紡ぎ出される人々の笑顔はまさに日本の原風景を思わせるものとなりました。
【関連動画】
YouTubeチャンネル:TOBI TAKAHASHI
動画:日本遺産「月の都」でBon dance、日本の原風景がハレの日に@千曲市
【取材協力】
和かふぇよろづや
手作りお菓子や、オリジナルコーヒーなどを楽しめるほか、15組のシェフによる地元食材を使った健康的な日替りランチの提供、35組のアーティストが手作りする雑貨の販売、豊かな暮らしの提案と学びの場所を提供する教室やイベントを開催してるまちの笑顔が集まるカフェ。
/// 店舗情報 ////////////////////////////////////
営業時間/11:00〜16:00 (ランチタイム/11:30〜14:00)
住所/長野県千曲市桜堂521-1(屋代西沢書店 横)
定休/月曜日
TEL/026-214-0039
HP/http://wacafe-yorozuya.com/
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