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南佐久地域のほぼ中央に位置する小海町は、澄んだ空気と山々に囲まれた高原地帯です。小海町は自然豊かな風土を生かしたまちおこしの取り組み「憩うまちこうみ事業」を展開しています。建築を軸にまちづくりや文化創造をおこなう株式会社鳶髙橋として、2022年より協定を結び、活動に協力をさせていただくことになりました。
さっそく2023年1月に小海町が展開している「Re・Designセラピー」をテーマにしたワーケーションモニターツアーに参加させていただき、コンテンツの体験や参加者との意見交流をおこないました。冬の小海町は氷点下に達するため、自治体としても積極的に活動をしていなかったようですが、普段東京で活動をしている私たちだからこそ、冬の小海町に「リゾート感」という新たな魅力を見出しました。
湖上ランチはスノーピークの焚火ランチ
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松原湖に到着して最初におこなうのは、株式会社スノーピーク白馬Restaurant雪峰監修のレシピでつくる「湖上アウトドアクッキング体験」です。アウトドアクッキングは、普段は体験できない湖上での焚き火からはじまりました。目の前で揺れる火、薪が爆ぜる音、燃える匂い、火の暖かさなど、五感が刺激されます。
舞台となる松原湖は、冬になると全面結氷しています。結氷した美しいフィールドで地元野菜、鞍掛豆(くらかけまめ)を入れたミネストローネスープと、名産のはくれい茸と菊芋を入れたグラタン、そして、りんごとクッキー生地でつくるデザートをつくります。どれも地産地消にこだわった、南佐久エリアに根付く食文化を活かした料理です。
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2チームに分かれておこなうアウトドアクッキングでは、各々役割分担をしはじめ、気が付くとあっという間にチームの一体感が生まれていました。焚き火を囲みながらあたたかな食事とともにおこなう共同作業の効果は、チームビルディングや人と人とのつながり、思いやりや、助けあいが芽生えます。
今回集まった「憩うまちこうみ事業」協賛企業の多くは東京に籍を置く会社です。参加者は小海町の寒さに驚きながらも、大自然の空気や景色に解放的な気分で料理をつくりました。
健康食を独自に定義した「セラピー食」
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「憩うまちこうみ事業」では、健康的な食のガイドラインとして「セラピー食」を独自開発しています。小海町の冬は氷点下を超える寒さに見舞われ、農作物の収穫が極端に少なくなる時期です。そんな野菜がない時期は豆を活用しながら、栄養素、油の量、カロリー計算を定義した「セラピー食」で健康にアプローチできます。
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東京では食べられない旬の食材で「食の大切さ」「健康づくり」を感じてもらえるようにと、八ヶ岳山麓のきれいな水や季節や風土にあった食べ物、身土不二という精神にのっとり、食材を余すことなく活用したお弁当や夕食を提供してもらいました。「セラピー食」を食べて、体のなかから整った感覚がしました。
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「湖底浪漫」という、半年ほど松原湖の湖底に沈めて一冬低温熟成させた日本酒も大好評でした。小海町の一部飲食店で限られた期間でしか飲めない日本酒は、その地に来たからこそ味わえる、まさに浪漫を感じる一品です。
白樺尾根にて冬のセラピーウォーク
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「Re・Designセラピー」をテーマにしたワーケーションには、体を動かすコンテンツも用意されています。スノーシューを履いて白樺郡を歩く「冬の雪上セラピーウォーク」では、鳥や風の音、自然の香り、澄んだ空気を感じることができます。
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雪道を歩いていると、みたことのない植物や動物の足跡など、普段は気づかないような気付きや出会いがあり、自然のなかでガイドさんからいただくあたたかい飲み物にも癒されました。
ガイドさんにしたがって自然に触れ、深呼吸をすることで本来人間が持つ感性や感覚がよみがえるようにさえ思います。小海町が考える「Re・Designセラピー」は治療という意味ではなく、元に戻すことを中心に考えているそうで、今回の「冬の雪上セラピーウォーク」ではその片鱗を体験させてもらいました。
ワカサギ釣りと意見交換
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2日目はヨガグループとワカサギ釣りグループに分かれてのアクティビティです。私たちが参加したワカサギ釣りグループは、まず凍り付いた松原湖の氷上を30㎝ほどくりぬき、テントを張ります。
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予想よりも魚がかからず、釣竿を置いたままひたすら待つ時間が続きました。テントのなかでは参加者との交流がメインとなり、自分たちのテントでは、誰も釣れぬまま2時間がたちました。
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後から知ったのですが、この日は太陽の反射で氷上がエメラルドグリーンに輝く、とても珍しい現象が起きていたのだとか。キレイな氷上にみんなうっとりと、瞑想に近い感覚を覚えながらあっという間に時間が過ぎていて、究極の贅沢を味わったように思いました。
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ワカサギ釣りの後は国定公園の松原湖畔にある憩うまちこうみ拠点施設をフィールドに、湖を眺め自然の開放感を味わいながら、ワーケーション体験をおこないました。
今回ワーケーションを企画・運営してくれた「憩うまちこうみ事業」の方々、自治体職員さんと参加者でワーケーションに関する意見交換もしました。心を解放してコンテンツに向き合ったからこそ得た気付きや、東京にいるからこそ気が付いたまちの魅力をお伝えしました。
小海町の魅力のひとつは「リゾート感」です。日本におけるリゾートというと、沖縄や北海道といった保養地を思い浮かべるかたが多いと思いますが、東京から3時間弱と気軽にいける場所に雄大な自然を堪能でき、非日常を体感できる場所があるのです。
スノーピークのキャンプギアを使った氷上のアウトドアクッキングやスノーシューを履いた白樺郡散歩での深呼吸、ふと夜空を見上げれば満天の星空が広がっている小海町。東京から近い大自然で、エネルギーや大地の恵みを感じられます。
小海町の自然を生かした交流の場を協働で
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自然のなかで過ごすと、リトリート・マインドフルネス効果があることや、解放感によるクリエイティビティの向上も期待できます。普段は都内の民間企業で働く参加者も、自然豊かな場所で協働することで交流が深まり、感性が豊かになり思考が広がったような気がしています。
寒い地域だからこそ、生活の工夫や温まる知恵が溢れており、みんなでその有難みを一緒に感じる幸せがあるのだとも学びました。
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鳶髙橋として小海町と地域協定を結んだのも、私が純粋に小海町が好きという気持ちから始まっています。人を惹きつける魅力はこうした土地の魅力やそのまちに集まる人の魅力があると思っています。小海町の協定企業は20社ほどありますが、どの企業も小海町に対する想いが深く、支店を置いたりコラボレーション企画をしたりオフサイト研修をしたりと積極的に活動をされています。
冬の社内研修やワーケーションの可能性としても豊かな地域資源を活用することで、従業員の皆様の癒しや学びを得るプログラムとして実施できると思います。
鳶髙橋としても、小海町が持つ特別な自然の力や人々のエネルギーとともに、本協定を通じて小海町の自然や遊休資源を活かした建築に関連する体験設計をおこなっていきます。