株式会社鳶髙橋が年末限定でオープンする「お飾りセレクトショップ」、2022年は長野で出会った仲間たちと製作したしめ縄飾りが店頭をいろどりました。

「信州の風を東京でも感じられるように」と、田植えから脱穀まで1年を通して生育させた天然素材は、長野の作り手さんが一つひとつ手塩にかけて製作しています。

2022年の新宿通りには海外からお越しになるかたも増え、多くの人が戻ってきたという印象でした。新年を迎える人々の期待や外出がままならなかった閉塞感を打ち破る勢いを感じながら、人のつながりを実感した5日間となりました。今回は、私、鳶髙橋代表の髙橋が当日の様子をご紹介します。

前編:【前編】田植えからつくった信州の天然素材でつむぐ「しめ縄飾り」への想い

長野から運んだ信州しめ縄飾りとその想い

新宿大通りに面した店舗に飾られるしめ縄飾り

今回用意した8種類のしめ縄飾りは、伊勢神宮の御神田(ごしんでん)に由来する縁起のよい稲穂であるイセヒカリをぜいたくに使ったものや、ご商売を営むかたに御用(ごよう)があるようにと、ゲン担ぎにもなる五葉松(ごようまつ)を用いたもの、長野県飯田市で直接買い付けた300年以上続く伝統の飯田水引をあしらったしめ縄飾りなど、それぞれ作り手の想いがこもっています。

年末の販売日に向けて、長野から作り手さんが50個を超える大切なしめ縄飾りを直接届けてくださいました。私としても愛情をかけて生み出されたしめ縄飾りを多くのかたに届けたいという使命感がわきました。

1番人気のうさぎと梅があしらわれたしめ縄飾りを手にする学生たち

販売を手伝ってくれた学生さんにとって、プラスチックをつかわずに手作業でつくったしめ縄飾りをみたのは初めてだったそうです。「かわいい」とお気に入りのしめ縄飾りを選んでいました。

海外の旅行者からも支持

旅行者の方もお気に入りの一品を選択

「お飾りセレクトショップ」に必ずといっていいほど足を止めてくれたのは、海外から訪れる旅行者たちです。日本古来の伝統文化に興味をもち、精工につくられたしめ縄飾りに感動していました。

「とても美しい」と、目を輝かせながらしめ縄飾りを手に取る姿は予想だにしていない光景でした。海外旅行者さんがしめ縄飾りをみた瞬間に購入されていくようすは、間違いなく日本文化の美しい価値が伝わっている瞬間でした。

たくさんの人が訪れた、感謝にあふれた5日間

古くからの付き合いがあるかたや、長野でお会いした仲間も足を運んでくれました。お越しいただいたかたがSNSで投稿をして、それをみてお越しいただくお客さまも大勢いました。情報が伝わっていくようすに、次々と輪がひろがる流れを実感しました。

古くからの知人も差し入れとともにお越しいただいた
空間設計とデザインに携わった新宿弐丁目横丁にも飾られた

長野のイベントを機に交流を深めている仲間たち

男性にはイセヒカリをぜいたくに使ったしめ縄飾りが、女性には水引でお花や干支のうさぎをあしらったしめ縄飾りが人気でした。どれも素敵な作品だと、購入まで悩む姿を目にして私も嬉しくなりました。販売期間の5日間は仲間やお客さまとお話しを楽しみながら、人のご縁にありがたみを感じる幸せな時間を過ごしました。

花園神社にも届いた、私たちのしめ縄飾り

作品を手に取ってくれた花園神社の宮司さん

今回作成した信州のしめ縄飾りを多くのかたにお届けできるという、うれしい報告が続いていました。そして、花園神社の宮司さんにも直接信州のしめ縄飾りを手に取っていただきました。

花園神社で人々を出迎える、信州のしめ縄飾り

花園神社の宮司さんは「とてもよい素材で丁寧につくられていますね」と共感していただき、花園神社本殿の松飾りに飾っていただきました。新年、多くのかたが参拝に訪れる花園神社で愛情こもった作品が参拝者の皆さんを出迎えると考えるだけでもとてもうれしいことです。

素晴らしい新年を願って

プロジェクトメンバー左から北村さん、清水さん、井出さん

今回、信州の地産素材でつくるしめ縄飾りに携わるプロジェクトメンバーからもコメントをいただきました。

北村たづるさん(全体プロデュース)

今回は信州の素材を生かして製作したしめ縄飾りを直接東京に運ばせていただきました。毎日お友達やお知り合いの方々が足を運んでくださり、お客さまとの新しい出会いも増え、花園神社にも取り付けいただくという思わぬご縁をいただきすごくうれしいです。毎日のように進捗を報告いただいた髙橋さんにも深く感謝しております。今回みんなでチャレンジさせていただいたプロジェクトから宝物をいただきました。

清水優香里さん(しめ縄デザイン・製作担当)

短期間ではありましたが、プロジェクトチームの皆さまと一緒に駆け抜けた感がありました。信州チームも心を込めてしめ縄飾りをつくらせていただきました。東京にて、多くの皆さまにお届け、ご紹介くださろうとする誠心がこちらにも刻々伝わり大きな喜びと励みになりました。ありがとうございました。

井出景子さん(水引製作担当)

今回プロジェクトに関わらせていただけたこと、心から嬉しく思います。水引作家として今年1番の大きな活動になり、たくさんのご縁とたくさんの学びや収穫、たくさんの愛をいただき、髙橋さんをはじめ、皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

今回のプロジェクトを通して、地域の利点を生かし、プロジェクトに関わった一人ひとりが輝ける場づくりにつながったと思います。技術を持つ作り手の情熱や想いを届け、日本の伝統や「ハレの日」の文化を絶やさないため、改めて力になりたいと思った5日間でした。

わざわざお越しいただいた皆さま、SNSなどで応援メッセージやアクションをいただいた方々、改めて心よりお礼申し上げます。プロジェクトメンバー・鳶髙橋一同、皆さまのご健康とご多幸を心からお祈り致します。

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